半野喜弘が初めて監督を務める映画『雨にゆれる女』が、2016年に公開される予定です。この作品は、エレクトロニックミュージックやオーケストラ作品、さらにはホウ・シャオシェンやジャ・ジャンクーといった監督の映画音楽を手掛けてきた半野喜弘が、自らのオリジナル脚本を映画化したものです。物語は、「飯田健次」という偽名を使い、毎朝眼鏡と補聴器で変装して職場に向かう孤独な男・則夫が、秘密を抱えた女性を家に迎え入れたことをきっかけに、次第に彼女に惹かれていき、「健次」でいられなくなるという展開です。 過去の過ちから別人として生き、他人との関わりを避ける主人公・則夫を演じるのは、映画『るろうに剣心』シリーズで相楽左之助役を務めた青木崇高です。彼と惹かれ合う謎の女性役には、『天の茶助』や『忘れ雪』などの公開を控える大野いとがキャスティングされています。 半野監督は、映画制作に挑戦した理由について「音楽は非常に抽象的な芸術です。より人間そのものや物語を描きたいと思ったとき、それが映画でした」と述べています。また、青木と大野を起用した理由については、「誰も知らない青木崇高、誰も知らない大野いとを描けると思ったからです。青木くんは豪快でありながら非常に繊細で緻密な人物。大野さんには蝶が羽化する直前のような危うさと強さを感じます。この映画の中で、きっと未だ見ぬ2人を観てもらえるはずです」と語っています。 さらに、この作品ではクラウドファンディングプラットフォーム「Motion Gallery」を通じて、4月30日まで製作費の一部を募るプロジェクトが進行中です。支援者へのリターンとして、映画完成時の打ち上げへの招待や、半野が主催する音楽イベントへの招待、撮影小道具のプレゼントなどが用意されています。