札幌で美容院を営む百合子は、愛人である高校教師の杉野と冬の旅行に出かけました。この旅行を最後に杉野と別れる決意をしていた彼女。理由を問い詰める杉野に対し、彼女は妊娠していることを告げ、それが杉野への愛の終着点であることを明かしました。しかし、杉野は逆に彼女への愛情をさらに募らせます。 支笏湖畔で朝を迎えた百合子は、杉野が目覚める前に旅館を立ち去り、室蘭へ向かいました。そこではかつての恋人である今井が待っていました。彼女は今井に付き添われ、病院を訪れますが、結果は彼女の想像妊娠であることが判明しました。そこへ百合子を追ってきた杉野が現れます。こうして、百合子を間に挟んで杉野と今井は対立します。杉野は今井と百合子の関係が理解できませんでした。一方で、百合子はそんな二人の男性を後にし、ニセコ温泉へ向かいました。 杉野と今井も彼女を追い、雪景色の温泉町に到着しました。そこで百合子は初めて、今井をかつて愛したことがあるが、今井が不能だったために別れたこと、そして三年後に今井が男性としての機能を取り戻したことを杉野に打ち明けました。それでも、杉野と今井の関係は一層険悪になりました。 翌朝、今井と口論になった杉野は雪山へと飛び出します。夜になり、百合子と今井は不安に駆られ、杉野を探しに出かけ、山小屋で睡眠薬を服用してふらついている杉野を発見しました。杉野は異様な状況の中で百合子を抱きしめます。それを見た今井は場を去りましたが、今度は杉野と百合子が今井の後を追いました。 追いついた杉野は、今井が不能のために百合子と別れたという秘密を暴露しました。今井は激怒して杉野に殴りかかり、杉野は自ら崖から身を投げました。百合子と今井が崖下に駆けつけた時、杉野は教え子の女性がいたことを告白しながら息を引き取りました。百合子と今井は、冷たい雪の中で沈痛な面持ちで杉野の死顔を見つめていました。