産院から自宅へ向かう車内。生まれたばかりの赤ちゃん“織音(おりね)”を連れた里美と保典は、希望に満ちた気持ちでいっぱいだった。しかし、突然の事故が家族を襲う。織音は両親を失い、一人残されることになった。19年の時が流れ、成長した織音はある事件で警察に追われる身となっていた。逃亡を続ける織音に接触してくる「組織」の一員、蒼嶋ユリ。逃亡の手助けと引き換えにユリの要求を受け入れた織音は、ある実験用宇宙ステーションへと連れて行かれる。なぜか織音しか入れないという無人の宇宙ステーション。その奥で織音を待っていたのは、19年前の事故当時のまま、20歳の姿をした母、里美だった。戸惑う織音に、ユリはステーションのシステムを停止させる手助けを求める。それが謎の解明と母を助けることになると信じた織音は、戸惑いながらもシステム停止装置を設置していく。やがて、ひとときを共に過ごすうち、母との失った時間を取り戻してゆく織音。ユリの目的、里美の正体、そしてステーション乗っ取りに関わる“先生”と呼ばれる男。謎が深まる中、織音がたどり着く「真実」とは・・