上嶋陽平（佐藤二朗）は、38歳からおよそ11年間引きこもりの生活を送った後、3年前にようやくその状況を抜け出しました。この経験から、彼は「引きこもりを克服した人」と表現できるでしょう。社会復帰の第一歩として、近くの住民たちの支援を受けて焼き鳥屋を始めましたが、お客様とまともに話すことができず、社会生活への適応にはまだ課題が残っているようです。　　そんな陽平に、市内の中学校で非常勤講師を務めてほしいという話が舞い込みます。校長の榊徹三（高橋克典）は、引きこもり経験者だからこそ不登校の生徒に寄り添えると考え、陽平を選んだのです。それは、スクールソーシャルワーカーの磯崎藍子（鈴木保奈美）や新任教師の深野祥子（佐久間由衣）による、不登校生徒への新しいアプローチでした。陽平はその責任の重さから断ろうとしますが、偶然出会った不登校生の奈々（鈴木梨央）を自分の生き別れた娘と重ねて見ていました。引きこもり仲間のヨーダ（玉置玲央）、引きこもり時代に支えてくれた長嶺（半海一晃）、そして母の美津子（白石加代子）の後押しを受け、ついに陽平は教師として教壇に立つ決意を固めたのです…。