弁護士の高森滝子（菊川怜）は、ある日、１件の弁護依頼を受けます…。保険会社の営業員である須村さと子（石田ひかり）が、無職の夫の要吉（渋川清彦）を殺害した容疑で逮捕されてしまいました。事件が起こった夜、酒癖の悪い要吉は酔った勢いで妻のさと子へ暴力を振るいます。さと子は、家庭内暴力、つまりDVから一人息子のタカシ（鴇田蒼太郎）を守るため、やむなく夫を殺したと弁明しています。このケースでは、容疑者がDVの被害者である妻であり、働かない夫が彼女に依存していた状況から、女性の権利に関する注目の事件となりました。さと子を支持する女性団体から依頼された弁護は、滝子にとって名を上げる絶好のチャンスでもありました。「正当防衛の主張は難しくとも、情状酌量を求めて執行猶予を得られれば、弁護士として勝利と言えるだろう」と語る法律事務所の所長、栗原英彦（寺田農）の支援もあって、滝子はさと子のために弁護を引き受けることに決めます。滝子は、正当防衛の可能性について検討し、...